
複合機(コピー機)をビジネスで利用する際には、イニシャルコストだけなくランニングコストについても考えたうえで導入を検討する必要があります。
そして、ランニングコストの中で最も大きな割合を占めるのが、コピー機のインク代金です。
インク代金は、コピーの形式(インクジェット方式かレーザー方式か)によっても、機種によっても異なりますが、いずれにしても決して安くない金額が発生するので、中期的・長期的にみて最も負担に無理のない機種・契約方法を選ばなければなりません。
今回は、インク代の観点から見たインク代の基本的な考え方とおすすめ契約方法について紹介します。
▶目次
1、インク代金の節約方法
複合機のランニングコストとして大きな割合を占めるインクコストを下げるためには、インクについての理解が重要になります。
まずは、機種の選び方やインク代金のコストカット方法から検討しましょう。
インクジェット方式とレーザー方式
複合機の印刷方式には、大きく分けて2つの方式があります。インクを直接用紙にふきつけるインクジェット方式と、感光体にレーザーを使ってインクを付着させて印刷するレーザー方式です。
1枚当たりの印刷代はモノクロの場合は1円以下~2円程度、カラーの場合は10円~30円程度となるのが一般的です。
インクジェット方式とレーザー方式のいずれの方式においても、インクは消耗品であり、インクの残量が空になってしまうと交換する必要があります。
インクは、メーカーや機種によって異なりますが3~6色程度のカラーを混ぜ合わせて作りますので、各色、交換になるたびに交換の必要性が生じます。
インク代金の目安について、おおまかにで構わないので導入時に必ずメーカー・販売店に確認するようにしましょう。
純正品と互換インク
インクには、純正品と互換インクがあります。
純正品は、キヤノンやリコーなど複合機のメーカーが複合機用として販売しているインクのことです。一方、互換インクは他のメーカーが「複合機に使用できる」として販売しているインクのことです。
互換インクは、メーカー純正品と比較するとかなり安く販売されています。
しかし、デメリットとしては、純正品ではないのでカラー品質が劣ってしまうことが多いです。また、インクの詰まりなどのトラブルが生じた際にも自己責任となってしまいます。場合によっては、インクと直接関係がないと思われる個所が故障した場合でも、メーカーカラ無償修理の対象外とされてしまうこともあります。
互換インクは、コピー機の故障リスクも高まってしまうので、単価が安いとはいえビジネスでの利用はあまりおすすめしません。
無駄なカラーコピーは極力避ける
単価の違い以上に大きいのが、ミスプリントによるインクコストです。
また、カラーコピーと白黒コピーのインク代金の差は非常に大きいので、カラーコピーは必要な場合のみ、ということをスタッフ間で共有・徹底するようにしましょう。
2、保守契約でインク代を節約
インク代節約にも有効なおすすめ契約方法について紹介します。
カウンター保守
ビジネスにおいては、カウンター保守方式が非常に広く利用されており、コスト削減だけではなく業務効率の面でも非常におすすめです。
方式としては、故障時の保守対応や部品交換対応を含めて定額の月額料金とモノクロ、カラーごとのカウンター料金(1枚の印刷単価)をあらかじめ設定しておき、毎月支払いをするというものです。一般的に1枚のコピー単価はインクを購入するよりも安く設定されるので、毎月一定数量のコピー、プリントアウトをする企業にとってはメリットの大きな契約となります。
カウンター保守契約はほとんどすべての複合機メーカー・販売店で採用されており、ビジネス用途としては8割のユーザーがカウンター保守契約を結んでいるといわれています。企業の規模に関わらずすべてのユーザーに非常におすすめの契約方法です。
スリーCチャージ方式
スリーCチャージ方式とは、カラーコピーの料金を削減できる可能性のある新しい保守契約プランです。
京セラのコピー機独自の保守契約プランとなっています。
カウンター保守契約を結ぶと、インクの利用料に関わらずカラー印刷をすると一律単価が適用されます。
極端な例を挙げると、一文字だけカラーの文字が使用されている文書を印刷した場合でも、オールカラーの場合でも同じカラーコピーの料金が適用人なるのです。
スリーCチャージ方式の場合は、カラートナーの使用量を3つのレベルに分けて、使用量に応じた単価が適用されるという使った分だけ支払うプランとなっています。
スリーCチャージ方式はどの規模、どの業種にもおすすめのインク代を節約できる契約内容ですが、特に以下の場面ででニーズが高まっています。
- 図面のプリントアウト
- 契約書・見積書発行時
図面に、補足青や赤で引かれたラインについて、従来は一律のからコピー料金が課せられていました。一方、モノクロコピーでは図面が読みづらく業務に支障をきたしてしまうことも。図面は、インクトナー使用率が低いため、スリーCチャージ方式であれば低単価での印刷が可能です。
契約書や見積書については、書面の見栄えを重視するとカラーで印刷したいものです。会社印や値引き額の部分などが赤字で印刷されると、書面としての信頼性も高まります。このようなワンポイントカラーの際にも、スリーCチャージ方式は非常におすすめです。
3、まとめ
複合機のインク代金について案内しました。
削減方法は大きく分けて3つあります。
- インク代金の安い機種のコピー機を選ぶこと
- 無駄遣いやミスプリントを減らすよう社内で徹底すること
- コストメリットのある保守契約を結ぶこと
コスト削減に有効活用していただければ幸いです